参観日の様子
【1年生】
1年生では、「権利の熱気球」という教材を利用して構成的グループエンカウンター(ワークショップ)を取り入れた授業を行いました。中学校生活にも慣れ、クラスの仲間との関わりが深まるこの時期に、「自分の考えを大切にすること」、そして「自分とは違う意見を認め、お互いのよさに気づくこと」を目指して取り組みました。
今回の授業では、生徒一人一人が「12個の荷物(さまざまな権利)」を持って熱気球に乗っている、というシチュエーションからスタートしました。どれも大切に思える12個の権利。気球を飛び続けさせるために、「自分ならどれを最後まで残すか、どれを先に手放すか」を、真剣に順位づけしていきました。個人で考えた後は、グループやクラス全体で「自分がどの権利を一番大切にしたいと考えたか」を共有しました。
【2年生】
2年生は、「御巣鷹山を訪ねて」を教材に学習を行いました。本時では、1985年に発生した日航機墜落事故と、その遺族である愛子さんの生き方を通して、命の尊さや人権について考えました。
学習の中では、事故の悲惨さや「命の重さは皆同じであること」「一日一日を大切に生きること」について理解を深めました。さらに、遺族であるという理由だけで差別的な手紙が送られたり、結婚に際して身元調査を受けたりするなど、理不尽な偏見や差別の現実についても学びました。生徒たちはその内容に強い衝撃を受け、差別や偏見にどう向き合うべきかを真剣に考えました。また、差別をなくすために行動を起こした田中さんの生き方にも触れ、正しい事実を広めることや、差別の背景にある誤解を解くことの大切さを学びました。
授業の最後には、「同和問題をはじめとするあらゆる差別をなくすために自分にできること」について考えをまとめました。差別を見抜く力や正しい知識を身に付けること、勇気を持って行動することの大切さを再確認する学びとなりました。
【3年生】
3年生の人権学習では、「就職について考えよう」というテーマのもと、就職差別の問題について学習しました。授業の導入では、「自分が将来就職するとき、会社にどのような点を見てもらいたいか」を考え、自分の適性や能力、意欲など“本質的な評価”の在り方について意見を出し合いました。その後、実際に過去に使用されていた履歴書の様式を資料として取り上げ、記載されている項目の中に、本人の能力や適性とは直接関係のない情報が含まれていることに着目しました。
生徒たちは、こうした情報が選考に影響を与えることの理不尽さや不公平さについて多面的に考え、「誰もが平等に評価されるべきである」という視点の重要性に気付きました。また、就職差別の背景には、社会に残る偏見や固定的な見方が関係していることにも触れ、その解消に向けた課題についても理解を深めました。
さらに、現在広く使用されている全国高等学校統一用紙が導入された経緯について学び、採用選考において公平性・客観性を確保するために、多くの関係者が長い年月をかけて改善に取り組んできたことを知りました。こうした学びを通して、生徒たちは「正しい情報に基づいた公平な判断の大切さ」について考えを深めることができました。
【宇和島市人権を考える市民の集い】
本日、人権・同和教育講演会を開催し、パフォーマーのちゃんへん.さんを講師としてお迎えしました。
講演の前半では、中学生の頃に出会ったジャグリングのパフォーマンスを披露していただきました。世界トップレベルの技の数々に、生徒たちは大きな拍手と歓声を送りました。その姿から、自分の可能性を信じて挑戦し続けることの大切さを学ぶことができました。
後半では、御自身のルーツである在日韓国・朝鮮人の歴史についてお話しいただきました。韓国併合や戦後の社会情勢の中で、多くの人々がさまざまな困難や差別を経験しながらも、日本で生活基盤を築いてきたことを学びました。また、ちゃんへん.さんのご家族が歩んできた歴史や、ご自身が幼少期に受けたいじめや差別の経験についても語られました。その中で、「どんなにつらいことがあっても前を向いて生きること」「自分のルーツに誇りを持つこと」の大切さを、生徒たちに力強く伝えてくださいました。
今回の講演会を通して、生徒たちは在日韓国・朝鮮人の歴史や差別の問題について理解を深めるとともに、「違いを認め合うこと」「相手の立場に立って考えること」の大切さについて学ぶ貴重な機会となりました。これからも一人ひとりを大切にし、互いを認め合える学校づくりを進めていきたいと思います。
【講師プロフィール】
ちゃんへん.さんは京都府宇治市のウトロ地区で育ち、中学2年生のときにパフォーマーを志しました。独学で技術を磨き、中学3年生でアメリカのパフォーマンスコンテストにおいてアジア人初の金メダルを受賞。17歳でパフォーマンスのワールドカップに出場し、観客投票で1位を獲得しました。2022年には、アメリカ・ラスベガスで開催された歴代チャンピオンのみが出場できる大会で優勝しています。現在は「諦めない心」をテーマに、日本語ラップと世界最高峰のパフォーマンスを通して多くの人々に勇気と希望を届けるとともに、全国各地で講演活動を行い、夢を追い続けることの大切さや困難に立ち向かう強い心について伝えています。